日本歯周病学会認定 歯周病認定医による治療

当院には、日本歯周病学会認定 歯周病認定医が在籍しています。歯周病認定医は、学会が認める研修施設で3年以上研修を積んだ、日本歯周病学会が認める資格です。他院で「抜くしかない」と言われた重度の歯周病や、専門的な外科治療が必要なケースにも、知見に基づき、できる限り歯を残すための最適な治療をご提案します。生涯にわたりご自身の歯を守るため、お口の健康を全力でサポートいたします。

歯周病とは

歯周病は、歯の周りの組織(歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質)に炎症を起こしている病気の総称です。症状の進行により呼び方も異なり、炎症が歯肉のみの状態を「歯肉炎」、歯槽骨や歯根膜にまで炎症が及んでいる状態を「歯周炎(歯槽膿漏)」といいます。

日本では成人の8割以上が歯周病に

歯周病は、痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進行してしまうことから、「沈黙の病気=silent disease」とも呼ばれています。自覚症状のないものを含めると、日本では成人の8割以上の人が歯周病にかかっていると言われており、30歳以上の人が歯を失う最大の原因は、虫歯ではなく歯周病なのです。

また、多くは成人に発症しやすいとされる病気ですが、近年では小中学生にも見られることがあります。

セルフチェック

「最近、歯ぐきの様子が気になる…」という方は、以下の項目をチェックしてみてください。1つでも当てはまる場合は、気づかないうちに歯周病が進行している可能性があります。

見た目の変化

  • 歯ぐきが赤く腫れている(健康な歯ぐきは薄いピンク色)
  • 歯ぐきが下がって、歯が長く見えるようになった
  • 歯と歯の間に隙間ができてきた
  • 歯ぐきから「膿(うみ)」が出ることがある
  • 歯の表面にザラザラした「歯石」がついている

お口の感覚・体感チェック

  • 歯みがきの時、ときどき血が出る
  • 朝起きた時、口の中がネバネバして気持ち悪い
  • 以前より「口臭」が強くなった気がする
  • 固いものを噛むと、歯に力が入らない・痛む
  • 歯が浮いたような感じがしたり、指で触るとグラグラ動く

チェックの結果

0個:今のところ安心です

現在は健康な状態ですが、歯周病は気づかないうちに始まります。半年に一度の定期検診で健康を維持しましょう。

1~2個:軽度歯周病(歯肉炎)の疑い

歯ぐきに炎症が起き始めています。この段階なら、プロによるクリーニングと正しいブラッシングで元の健康な状態に戻せます。

3個以上:中等度~重度歯周病の可能性

歯を支える骨が溶け始めている恐れがあります。放置すると歯を失うリスクが高いため、早急に精密検査を受けることをお勧めします。

治療の流れ

1精密検査・カウンセリング

日本歯周病学会認定 歯周病認定医が現在のお口の状態を徹底的に把握します。歯周ポケット測定では、1本ずつの溝の深さを測り、炎症の状態を確認します。また、レントゲン・CT撮影で歯を支える「骨」がどれくらい溶けているかを精密に診断します。口腔内写真を撮り、ご自身でも状態を確認できるよう、現状を記録します。

2原因の除去(歯周基本治療)

歯周病の主原因である「プラーク(細菌の塊)」と「歯石」を取り除きます。スケーリングで歯の表面や隙間にこびりついた歯石を除去します。ルートプレーニングで歯ぐきの奥深くに隠れた汚れを痛みに配慮しながら丁寧に除去します。また毎日のセルフケアが治療の鍵です。患者さんに合った磨き方をプロが伝授します。

3再評価(効果の確認)

基本治療の後、歯ぐきの状態がどれくらい改善したかを再度検査します。改善が見られればメンテナンスへ、まだ深いポケットが残っている場合は、次の「精密治療」へとステップアップします。

4専門的な精密治療(必要な場合のみ)

重度の歯周病や、通常の清掃では届かない箇所に対し、高度なアプローチを行います。具体的にはで肉眼では見えない微細な汚れまで徹底的に除去するマイクロスコープ治療、溶けてしまった骨を再生させる歯周再生療法(エムドゲインやリグロス等)、細菌を殺菌・除去し、組織の治癒を促進するレーザー治療などがあります。歯周病治療に関する専門的な知識と技能を持つ日本歯周病学会認定 歯周病認定医が行いますので、ご安心ください。

5メンテナンス(再発防止)

治療後の健康な状態を維持するための、最も大切なフェーズです。定期検診で3~6ヶ月に一度、プロのクリーニング(PMTC)を行い、再発の芽を早めに摘み取ります。

症例

左上前歯の歯茎が腫れた

治療前

治療後9ヶ月経過

赤い線で囲んである部分が処置したところです。処置後9ヶ月ほど経過して安定しております。歯茎の腫れもなくなり、揺れも治ってきています。これだけ骨の吸収が大きいと抜歯を余儀なくされることも多いですが、今回は残していけそうです。今後も経過を見ていきます。

年齢・性別 30代/女性
治療期間 4回(歯周組織再生療法手術まで)
費用 保険診療
治療内容 歯周組織再生療法
リスク・副作用
  • 歯槽骨の再生がうまくできない場合がある。
  • 歯茎が下がり、歯が長く見えることがある。
  • 歯の根の部分が露出するため、知覚過敏の症状が健康な歯に比べて出やすい。

左上前歯の歯茎が腫れた

治療前

治療後6ヶ月経過

赤い線で囲んである部分が処置したところです。6ヶ月経過して安定しております。今後も経過を見ていきます。

年齢・性別 50代/女性
治療期間 4回(歯周組織再生療法手術まで)
費用 88,000円
治療内容 歯周組織再生療法
リスク・副作用
  • 歯槽骨の再生がうまくできない場合がある。
  • 歯茎が下がり、歯が長く見えることがある。
  • 歯の根の部分が露出するため、知覚過敏の症状が健康な歯に比べて出やすい。

歯周病と全身疾患の関係

歯周病は単に「歯を失う病気」ではありません。歯周病菌や炎症物質が血流に乗って全身を巡ることで、命に関わる疾患のリスクを高めることが明らかになっています。

スクロールできます

関連する疾患 主なメカニズム 歯周病によるリスク・影響
糖尿病 炎症物質がインスリンの働きを阻害 血糖値のコントロールが困難になる
心臓疾患 血管内に血栓を作り、動脈硬化を促進 心筋梗塞・狭心症のリスク上昇
脳血管疾患 血流に乗った菌が脳の血管に影響 脳梗塞の発症リスクを助長
誤嚥性肺炎 唾液に含まれる菌が肺へ入り込み感染 高齢者の死亡原因となる重篤な肺炎
認知症 脳内でのアミロイドβ蓄積を促進 アルツハイマー型認知症の進行・悪化
早産・低体重児 炎症物質が子宮の収縮を促す リスクは約7倍。母子の健康に影響
呼吸器疾患 気管に菌が入り、炎症を引き起こす COPD(慢性閉塞性肺疾患)の重症化

歯周病を適切に治療・管理することは、これらの重大な病気を予防することに直結します。当院では日本歯周病学会認定 歯周病認定医が精密な検査に基づき、全身の健康維持を見据えた治療をご提案しています。

歯周病の主な原因

プラーク(歯垢)

歯周病の直接の原因となるものがプラークです。プラークは飲食物の残りカスなどにより形成された細菌が増殖した塊で、バイオフィルムとも呼ばれています。中でも歯周病細菌は歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の中から、毒素や酸素を放出して歯周組織を破壊します。

リスクファクター(危険因子)

歯周病は生活習慣病の一つとも言われており、気づかないうちに発症・進行してしまっていることが多い病気でもあります。普段のお口のケアの仕方や何気ない生活習慣の中に、間接的に歯周病を悪化させる要因が潜んでいる可能性があるのです。

歯周病を予防するために大切なこと

歯周病予防の基本は、原因となるプラークを適切に徹底的に除去することです。加えて、原因となる生活習慣を知り、根本的な改善を図ることが重要です。

また、歯周病は例えどんなに良い治療を施しても、日々のケアを怠ってしまうとすぐに再発してしまいます。ご自宅での歯みがき等の適切なセルフケアとあわせて、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けることが大切です。

当院では、それぞれのお口の状態に合わせた歯磨きの仕方から一人ひとりに適した予防プランまでご提案することが可能ですので、お気軽にご相談ください。

歯周病の進行と治療法

歯肉炎

歯ぐきのみに炎症を起こしている状態。痛みといった自覚症状はほとんどありませんが、硬いものを食べた時や歯磨きをする際に出血しやすくなります。

治療法

歯のクリーニングで綺麗に汚れを取り除きます。適切な歯磨きの仕方など、セルフケアの指導を行います。

軽度歯周炎

歯を支える歯槽骨が溶け出した状態。歯磨きの際に出血したり、歯ぐきが腫れぼったく感じるなどの症状が現れます。一般的な初期段階では、無症状なケースがほとんどです。

治療法

歯の表面や根の周りに付着したプラークや歯石を、専門の器具を用いて除去するスケーリングを行います。

中等度歯周炎

歯を支える歯槽骨が1/3~2/3ほど溶けた状態。しみるようになったり、歯磨きの際の歯茎からの出血、歯ぐきが腫れたり治ったりの症状を繰り返します。歯がぐらつきはじめ、膿が出たり口臭がする場合もあります。

治療法

プラークや歯石の除去を行います。歯周ポケットの奥深くに付着した歯石除去には痛みを伴うこともあるため、麻酔注射が必要となります。また、症状によっては外科的な治療が必要となる場合もあります。

重度歯周炎

歯を支える歯槽骨が2/3以上溶けた状態。歯の周囲を指で押すと白い膿が歯の周囲からにじみ出て、口臭が強くなることもあります。歯がぐらつき、硬いものなどが噛みにくくなり、歯磨きでは毎回のように出血するようになります。放置してしまうと、歯が自然に抜け落ちることもあります。

治療法

プラークや歯石の除去、外科的な治療を行います。状態が改善しない場合、抜歯となるケースもあります。こうした状態になる前に、早めの検診と定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。

歯周病 よくある質問

Q

歯ぐきから血が出ますが、痛くないので放置しても大丈夫ですか?

A

痛みがないからといって放置するのは非常に危険です。出血は歯ぐきが炎症を起こしているサインであり、歯周病の初期〜中等度の可能性が高いです。痛みが出たときには既に骨が溶けていることが多いため、早めの受診をお勧めします。

Q

歯周病になると「口臭」が強くなるというのは本当ですか?

A

はい、本当です。歯周病菌が排出する「メチルメルカプタン」などのガスは、強い口臭の原因となります。歯みがきだけでは届かない「歯周ポケット」内の菌をクリーニングで除去することで、根本的な口臭改善が期待できます。

Q

歯周病の治療にはどれくらいの期間がかかりますか?

A

軽度の場合は数回のクリーニング(約1ヶ月)で改善しますが、重度の場合は精密な根管治療や外科処置が必要になり、数ヶ月~半年以上の期間を要する場合もあります。初診時に日本歯周病学会認定 歯周病認定医から詳細な治療計画をお伝えします。

Q

歯周病で溶けてしまった「骨」を元に戻すことはできますか?

A

状態によりますが、「歯周組織再生療法(エムドゲインやリグロス等)」によって、失われた骨を再生させることが可能です。当院では精密検査に基づき、保存できる可能性がある歯に対しては積極的に再生療法をご提案しています。

Q

治療が終わった後も、ずっと通い続ける必要がありますか?

A

歯周病は「完治」というより「安定」の状態を目指す病気です。お口の中の細菌は数ヶ月で元に戻るため、3〜6ヶ月に一度の定期的なメインテナンスを受けることが、再発を防ぎ一生自分の歯で食事をするための唯一の方法です。

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